有川靖夫の日記・地涌の会のブログ

釈尊と日蓮大聖人の本当の教えを学び実践する会

都民の一人として小池百合子都知事に一言

 私は東京都民の一人として、小池百合子氏が都知事選に立候補した時から今日に至るまで、テレビ新聞雑誌を通して細大漏らさず彼女の動向をウオッチしてきた。その観点から、小池氏に対する私なりの評価と感想を述べたいと思う。

 このようなことを書きたいと思った動機は、衆院選後のマスコミ及び都民の小池評があまりにも軽薄すぎると情けない気持ちにかられたからである。私にとって小池百合子氏は心底只者ではない力を持つ政治家であると敬意を表するものがある。

 まず、都知事選についていうなら、女性でありながら、自公が推す総務大臣を務めた増田氏と一騎打ちの勝負に出て、圧勝した偉業は見事としか言いようがない。果たして彼女以外に誰ができ得たであろうか。          

 自民党と言えば、長期政権を維持してきた中で、町会・自治会をはじめ行政機関に連なるあらゆる業界・団体の固い組織票をを持っている政党である。また、増田氏を応援した公明党は、いまや安倍総理も離れられなくなった固い組織票持つ創価学会そのものの宗教政党であることは天下周知の事実である。

 したがって、固定票を持たない小池氏が自公が推す増田氏に勝つなどということは万が一にも考えられないことなのである。しかし彼女は誰人も成し得ないことを成し遂げたのである。  

 次に都政の課題であった築地市場豊洲への移転問題であるが、小池氏には、石原慎太郎氏の無責任な役人任せが原因で、盛り土がされていなかったり、危険な汚染水が出てきたりという前任者の負の遺産にメスを入れ、解決する義務を課せられたわけである。

 したがって、問題だらけの豊洲移転に待ったをかけ、食の安全安心を模索したことは評価されていいと思う。そもそも、土壌汚染のカオスのような東京ガスの用地の上に生鮮食料基地を建設することには、もっと慎重であるべきだったのである。築地ブランドは世界的にも有名で、築地か豊洲かの二者択一ではなく、両方を生かそうと考えたことは非難されることではない。

 また、オリンピック・パラリンピックの各種会場整備問題についても立ち遅れを追及する声があるが、不透明なまま膨大な予算が湯水のごとく使われようとしていた大問題に疑問を呈し、改善してきた行政手腕は高く評価されていい。

 さらに、都議選における小池氏率いる都民ファーストの候補者が、自民党公明党を抜いて都議会第一党に躍り出たことも小池氏の力によるものであった。

 さて、今回の総選挙においては、小池氏率いる希望の党都知事選や都議選のような結果を出すことはできなかった。その原因については多くの識者やマスコミが一致して指摘していることがある。それは、民進党の現役国会議員が人気の高い小池新党の希望の党に全員が鞍替えしようとしたのであるが、小池氏の配慮を欠いた排除発言によって失速したとの指摘である。

 小池氏がテレビで記者の質問に答えたこれらの発言の映像は、連戦連勝街道をまっしぐらに駆けぬいてきた自信が過剰になり、傲慢さが漂うものであった。

 しかし、私は当初から、国政選挙は政権選択選挙であることから、国家観や政策の違うものが塊をつくることには疑問を持っていたので、よくぞそこまで思い切った排除発言をしたものだと小気味よさを感じたものである。

 もしあの時小池氏が、安全保障問題や憲法改正問題で意見の異なる人の公認は難しい、と言っていれば大幅な失速には繋がらないであろうと思う。しかし、これは後の祭りである。千年の刈萱も一時に灰になる。政治家の発言は慎重であらねばならない。

 そうした中でも、総選挙の意義を知り、同時に小池氏の路線と自分は違うと思った枝野氏などは、小池発言や前原構想に対し恨み節を述べることなく立憲民主党をを立ち上げて望外の議席を獲得、野党第一党に躍り出ている

 小池氏の排除発言があろうとなかろうと、希望の党が50議席を獲得したことは実力相当だと思っている。誰が代表になってもバラバラで一致結束のできない民進党のままで選挙に打って出たなら、おそらく民進党は大敗したであろうと思う。

 小池氏の排除発言があったがために、民進党は三つのグループと無所属会派に分かれとので、国民にとってはそれぞれの考え方が分かりやすくなり選択しやすくなったことは瓢箪から駒といえよう。

 タカ派路線に走る安倍政権、役人の忖度に甘んじるしがらみの政治の自民党、さらに票頼みで一民間の宗教団体・創価学会にすがるつく自民党。これに対し希望の党改革保守を目指している。同時に国家間の異なる日本共産党との連携は視野に入れていない。

 今回の総選挙で、非自民非共産の中道政党が誕生したわけである。中道政治公明党がかつて標榜していた路線である。しかし、いまや自民党の補完勢力に甘んじ、中道政権をめざす気力を失ってしまった。正統な中道政党は希望の党に取って代われてしまったのである。

 最後に小池氏にアドバイスしたい。常に要領よく立ち振る舞う公明党は、小池人気が失速したとみるや、都議会の幹事長は今後は知事に対しては与党ではなく是々非々で臨むことを表明した。先の都知事選や都議選で風通しのよい都政を実現したのであるから、昔の仲間であった自民の都連会長と話し合って自民党を味方にし、公明抜きでも都政を円滑に運営できるようにしてはどうか。

 私の見るところ、日蓮門下と称しながら、本門戒壇の大御本尊から離脱し後戻りができなくなった公明党創価学会に未来は無いことは釈迦と日蓮大聖人の御金言に明らかである。今回の総選挙で失速したのは公明党でありこれが佛眼というものである。