有川靖夫の日記・地涌の会のブログ

釈尊と日蓮大聖人の本当の教えを学び実践する会

市川雄一秘話⑥-これが理論家の真骨頂

 東大の助教授だった菊池昌典氏は市川雄一氏について、「彼は政治家と言うよりは、書生ぽい人ですね」と評したことがある。

 その理由は、市川氏の読書量の多さと多岐にわたるジャンルの幅に驚いたらしい。確かに身近にいた私から見ても同感である。

 市川氏は常に新聞の書籍広告には目を通し、機会あるごとに書店に足を運んでいた。そして新刊本のページをめくったときに伝わってくるインクの匂いがたまらなく好きだ、ということを言っていた。まさに本の虫といって良いだろう。

 秘書として私はいろんなところに同行することがあったが、例えば旅先で駅のホームで電車を待つ時間があると決まって売店で新聞・週刊誌を買った。その時、私に新聞をよく読めと薦めた。何故なら、新聞記事はいつ、どこで、だれが、何を、なぜ、どのように、という記者には欠かせない5w1hが的確に書かれているからこれを身につけよと。

 また、週刊誌を読むときはまずタイトルを見て、自分だったらどこを取材し記事をどのように展開するか考えてから読めと。そのときに週刊誌の記者と自分との能力の差が分かり力が付くのだ、と。さらに、世に理論家と言われる人物の本質はどこにあるかについて、論理の組み立てにおいては、鉄のパズルをはめ込むように寸分の隙間も作らない人物を言うと教えてくれた。さらに、真の理論家こそ鉄の意志を持つ真の実践家なのであって、理論家でなければ実践家にはなれないことを教えてくれたものである。